目黒泉です。
イメージというものは、外側から見るか日常として内側から見るかによって実際とは異なったりします。
今回携わらせていただいたVTRのテーマは物事の根元と再生。
本編にはナレーションでの語りはなく映像と現地の音だけでそこにある現実を映し出していきます。私は導入部分、本編へとつなぐ役目としてことばを添えさせていただきました。
映像の舞台は、パンキシ渓谷。
チェチェン紛争を通して多くのイスラム武装勢力が流入したとされ、「危険な地域」としメディアで報じられた地域です。
7年間に渡ってそのパンキシ渓谷を取材してきたディレクターでありドキュメンタリストの竹岡さん。先行する負のイメージと現地で起きている現実に疑念をいだき、取材を続けてきたと伺いました。昔、取材相手との心の距離感によって映像の撮れ方は変わってくるとお話を聞いたことがあります。収録で見せていただいたのはほんの一部のVTRですが、人々の表情や景色からその一瞬だけでもディレクターの眼差しを感じることができました。
世界中を飛び回ってご自身の目でそこに生きる人たちの現実を伝えていく。
与えられた情報だけではなく、自分の目で見て、現地の人の話を聞いて、そんな竹岡ディレクターの真摯な姿勢が、相手の心を開いていったのではないかと思います。
表に見えるものに疑問を持つこと、そうしたいくつもの「なぜ?」が現実を知り向き合うための方法なのだと、考えることがたくさんありました。
個人的にですが、記録という表現も、作品という表現も、過去になってしまうようで少し合わないような気がして。
今起きている現実と、そこに生きる人の姿や命の輝き、そして作り手のメッセージを受け取りたいと思います。
OA必ず拝見します。みなさまもぜひ。
2月26日(火) 午後7時00分
NHK BS1「テロリストの母と呼ばれて~闘いと再生の記録~」
http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2019-02-26/11/6382/2552522/
お声掛けいただいた鈴木様、スタッフの皆様、そして狩野社長、貴重な現場をいただきありがとうございました。